第12話 風を見る
よくトーナメントの中継などで、ショットの前に芝草をつまんで頭の前辺りでパッと離して「風」をチェックしている光景を見かけますが、あれは何を見るの?正解は「芝草の落ちる方向で風向きを読んでいる」、といいたいところですが…。
そもそも…、自然に起こる「風」は温度差によって空気(大気)が移動することで発生し、日本の夏の南東風(海風)や冬の北西風(陸風)は一般に季節風と呼ばれて、陸と海の温度差から気流が起こることで生まれるのだそうです。
ゴルフ場の場合にはその大気の大きな流れのほんの地表の一通過地点であって地図上では常に当日の風向きや風速は概ね一定であるかのように思いますが、実際には風向きの変化、風速の強弱が常に起こっています。
これはあの「風見鶏」が忙しそうに微妙に向きを変えるのでもわかるように、特に風が穏やかなときなどはよく「風が振れる」とか「風が回る」という言い方をしますが、大きな池越えホールや林に囲まれたホールなどでは地面の温度差や風をさえぎる自然の物体や障害物などの影響によってそのホール独特の「風」の向き・強弱が発生することもあるのです。
プロゴルファーがよくやるあの芝草による風チェックは、例えばパー3のショートホールのティーグランドに立ってグリーン上の旗を見るとひらひらと右側になびいている・・・、がティーグランド上では右から風が吹いている!?・・・などのケースで、ショットの前の確認としてやったりします。
ただ、実際にその確度というか行為の意味はそれほどにシビアなわけではなく、気持ちの落ち着けなどティーショット前のルーティーンの一つになっているプレーヤーも多いのかもしれません。なぜなら、同じホール上だけで見ても当然風は振れていて、ティーグランドでの打ち出し時点の風はチェックできたとしても高度50メートル上空の風や距離200メートル先の風は知る由が無いのです。
プロの世界ではあるときは風を味方に、ある時は風と喧嘩させた球を打つことで技術的に風に対処できますが、われわれアマチュアの場合にはついつい風の「せい」にしかならないことが多く…、たまに格好つけて打つ直前に芝草を投げて風をチェックしたまでは良いが、ショットでドンっと地面を叩いて球がコロコロ・・・は避けたいものです。。

