第2話 フェアウェー走っていいの?
『ロイヤルパインズ』の5番ショート(162m)のティーグラウンドでは前のオージーの組がまだティーショットを打っていたので少し手前でカートで待っていた。そこに後ろの組の一見して日本の観光客とわかるおじさん達のカートがやってきて、そのうちの一人、一番ギラギラした全盛期のジャンボ尾崎みたいな派手なポロシャツを着た人に、「ちょっと、きみら何処から来たの?前のホールとかカートでフェアウエーに入っちゃだめだろう!」といきなり言われた。「???・・・。(アー!) あっ、ここはカートでフェアウエーに入ってもOKなんですよ。」というと、「フェアウエーはダメだろー。入れないだろー。」、「いえ、僕らこちらに住んでいますけどこっちのコースはどこもフェアウエー乗り入れOKですから。」、「えっ、そーなのぉ?」、「やっぱいーんじゃん。ぶつぶつ・・・」と他の連中。
どおりであの人たち、前のホールとかクラブもってフェアウエーをあっちこっち「走って」たわけだ・・・。
気を取り直して、ティーアップ。風は左からの横風。後ろの組が(こっち住んでるやつらの腕前を見てやるかっ、てな目で)見ているので、少々緊張。(こんなときには何が何でもナイスショットが欲しい!しかしこういうシチュエーションに限って失敗するんだよなあ・・・、頼むぞー・・・)果たして5番アイアンから放たれたボールは高—く上がり風を受けて右に流れながらグリーン手前のエッジに落ちて止まった。(まあまあか・・・ほっ)
日本の場合、一昔前まではゴルフというとキャディーさんが4バッグを積んだ電動カートをリモコンで誘導しながらわれわれは歩いて回るゴルフだったが、バブル経済崩壊以降多くのコースがキャディーさんの代わりに乗用カートを使ってセルフで回すところが増え、ここ数年来はアメリカなどの外資が預託金償還や債務が膨らんで破綻寸前の日本のゴルフコースを次々に買い取って、それらのコースはいわゆる欧米流の二人乗りカートを使ったセルフプレースタイルを採り入れ、中には日本では従来グリーンキーパーやメンテスタッフの間で「無理」と決め付けられてきた「乗用カートのフェアウエー乗り入れ」をOKとするコースもちらほら出てきたようだ。が、実際にはまだまだ少数で、乗用カートを使ったセルフ営業を始めても舗装されたカート道路のみ走行可でフェアウエーには「乗り入れ禁止」のコースが多いのが現状のよう。
その点、こちらオーストラリア・ゴールドコーストはどうかというと、もちろん「キャディーさん」は存在せず、みんな手引きのカート(個人的に「コロコロ」(日本語ですが)と呼んでいます。英語では「プル(Pull)カート」といいます)を引っ張って歩くのがローカルなスタイル。で、もちろん乗用カートもあってフェアウエー乗り入れは当たり前。但し、雨が続いてコースがぬかるんでいるときには、「90度ルール」が適用となる。これは、フェアウエーのボールがある地点まではカート道路を運転してカート道路から直角にフェアウエーに進入して打ち終わったら直角にカート道路まで戻る、というもの。
夏場、日差しの強いときなどは乗用カートは楽チンでとてもありがたいのだが、ゴルフは本来歩いてプレーするもの、若いうちは「歩測したり目測や距離感を養うため」などと言って1ヤードの歩幅で(無理して)ざっくざっくと早足で歩いたものだが、年を感じるようになった最近の自分は「体に良い」のでなるべく歩くようにしています…。

